「なぜうちの子だけ?」中学生のテストの点数が低い原因と、勉強しない子を変える親の関わり方
「周りの子は塾に通って成績を上げているのに、うちの子だけなぜ…」
中学生のお子さんを持つ保護者の方から、このようなご相談を数多くいただきます。
テストの点数が低い、家で全く勉強しない、声をかけても反発される——こうした状況に、焦りや不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げます。
中学生のテストの点数が低い原因は、単なる「努力不足」や「やる気のなさ」ではありません。
その背景には、見落とされがちな複数の要因が存在しています。
本記事では、教育現場での知見に基づき、勉強しない中学生に共通する特徴を分析し、保護者の方が今日から実践できる具体的な関わり方を解説いたします。
Contents
【結論】テストの点数が低い中学生には「見えない原因」がある
多くの保護者の方は、お子さんのテストの点数が低い理由を「勉強時間が足りないから」「本人のやる気がないから」と考えがちです。しかし、これは表面的な理解にすぎません。
テストの点数が低い中学生の多くは、「勉強しない」のではなく「勉強できない状態」に陥っています。
この違いは極めて重要です。
「しない」は意志の問題ですが、「できない」は環境や心理状態、学習方法の問題です。原因を正しく特定しなければ、いくら叱咤激励しても状況は改善しません。
むしろ、親子関係を悪化させ、お子さんをさらに勉強から遠ざけてしまう危険性があります。
では、勉強しない中学生には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
【理由】なぜ「勉強できない状態」に陥るのか
中学生が勉強できない状態に陥る背景には、主に以下の3つの要因が絡み合っています。
学習内容の「つまずき」が蓄積している
中学校の学習内容は、小学校までの基礎の上に成り立っています。
特に数学と英語は積み上げ型の教科であり、一度つまずくと、その後の内容が理解できなくなります。
たとえば、中学1年生で「正負の数」の概念が曖昧なまま進んでしまうと、方程式、関数、図形の証明と、学年が上がるごとに「わからない」が雪だるま式に膨らんでいきます。
このような状態で「勉強しなさい」と言われても、お子さんは何をどう勉強すればよいかわかりません。
結果として、机に向かうこと自体を避けるようになります。
「自己効力感」が著しく低下している
自己効力感とは、「自分はやればできる」という感覚のことです。
テストで低い点数を繰り返し取ることで、この感覚が失われていきます。
「どうせやっても無駄」「自分は頭が悪いから」——このような思考パターンが定着すると、努力すること自体に意味を見出せなくなります。これは怠けているのではなく、心理的な防衛反応です。
家庭環境・親子関係の影響
勉強に関する親子のやり取りが、ネガティブなパターンに陥っていることも少なくありません。
「また点数悪かったの?」「〇〇くんは頑張ってるのに」といった声かけは、保護者の方に悪意がなくても、お子さんの自尊心を傷つけます。
その結果、勉強という行為自体が「叱られること」「否定されること」と結びつき、避けたい対象になってしまいます。
【具体例】勉強しない中学生に共通する5つの特徴
ここでは、テストの点数が低く勉強しない中学生に見られる具体的な特徴を5つ挙げます。
お子さんに当てはまるものがないか、確認してみてください。
特徴1:「わからない」と言えない
勉強しない中学生の多くは、授業中に「わからない」と言えません。
周囲の目を気にする思春期特有の心理に加え、「わからないことを認めたくない」というプライドも関係しています。
その結果、わからないまま授業が進み、家庭でも「わからない」と言えず、問題が放置されます。
特徴2:勉強の「やり方」を知らない
テストの点数が低い中学生に「どうやって勉強しているの?」と聞くと、「教科書を読む」「ノートを見る」という答えが返ってくることが多いです。
しかし、これは「勉強した気になっている」だけで、知識を定着させる学習にはなっていません。効果的な勉強法を知らないまま努力しても、成果が出ないのは当然です。
特徴3:スマートフォン・ゲームへの依存傾向
勉強から逃避する手段として、スマートフォンやゲームに過度に依存するケースが増えています。
これらは即座に快楽を得られるため、「努力して成果を出す」という勉強とは対極にある行為です。
依存傾向が強まると、自己コントロール能力が低下し、勉強に向かうハードルがさらに高くなります。
特徴4:睡眠不足・生活リズムの乱れ
見落とされがちですが、生活習慣の乱れは学習能力に直結します。
睡眠不足の状態では、集中力・記憶力・判断力のすべてが低下します。
夜遅くまでスマートフォンを触り、朝起きられず、学校では眠い——このような状態で授業内容が頭に入るはずがありません。
特徴5:将来のビジョンがない
「なぜ勉強するのか」という問いに対して、明確な答えを持っていない中学生は多いです。
「将来の夢がない」「高校も親に言われたから行くだけ」——このような状態では、勉強に対するモチベーションが生まれません。
目的地がわからなければ、努力の方向も定まらないのです。
【対策】親ができる5つの具体的な関わり方
原因と特徴を把握したうえで、保護者の方が実践できる具体的な対策をお伝えします。
対策1:「つまずきポイント」を特定する
まず取り組むべきは、お子さんがどこでつまずいているかを把握することです。
学校のテスト結果を見て「点数が低い」と嘆くのではなく、「どの単元で間違えているか」「どのような問題が解けていないか」を分析してください。
場合によっては、小学校の内容まで遡る必要があるかもしれません。
つまずきの原因がわかれば、対策の方向性が見えてきます。
対策2:結果ではなく「プロセス」を承認する
テストの点数という結果だけを見て評価するのは避けてください。
「今回は前より勉強時間を増やしていたね」「苦手な単元に取り組んでいたのを知っているよ」——このように、努力のプロセスを言葉にして伝えることが重要です。
結果が伴わなくても、プロセスを認められることで、お子さんは「見てもらえている」という安心感を得られます。
これが、次の努力への原動力になります。
対策3:勉強の「環境」を整える
お子さん任せにするのではなく、勉強に向かいやすい環境を整えることも親の役割です。
具体的には、以下のような点を見直してください。
- 勉強する場所は静かで集中できる環境か
- スマートフォンやゲーム機が手の届く場所にないか
- 勉強時間を決めて習慣化できているか
- 睡眠時間は十分に確保されているか
環境を整えることで、勉強への心理的ハードルを下げることができます。
対策4:「勉強法」を一緒に考える
先述のとおり、多くの中学生は効果的な勉強法を知りません。
「教科書を読むだけ」ではなく、「問題を解いて、間違えた箇所を復習する」というサイクルが重要であることを教えてあげてください。
また、「1日〇時間勉強する」という時間目標ではなく、「今日はこの単元を理解する」という内容目標を設定することで、学習の質が向上します。
対策5:将来について「対話」する
勉強する意味を押しつけるのではなく、お子さん自身が考えるきっかけを作ってください。
「将来どんな仕事に興味がある?」「どんな大人になりたい?」——このような問いかけを通じて、勉強と将来のつながりを意識させることが大切です。
ただし、答えを急かさないでください。思春期のお子さんは、すぐに明確なビジョンを持てなくて当然です。
対話を重ねる中で、少しずつ考えが深まっていきます。
【結論】親が変われば、子どもは変わる
改めて結論を申し上げます。
中学生のテストの点数が低い原因は、単純な努力不足ではありません。
学習内容のつまずき、自己効力感の低下、生活習慣の乱れ、そして親子関係——これらの複合的な要因が絡み合っています。
そして、これらの要因の多くは、保護者の方の関わり方次第で改善できるものです。
お子さんを変えようとするのではなく、まずは親御さん自身の声かけや接し方を見直してみてください。
「なぜ勉強しないのか」と責めるのではなく、「どうすれば勉強できる状態になるか」という視点で、一緒に考える姿勢が大切です。
すぐに結果が出なくても、焦る必要はありません。お子さんの変化には時間がかかります。
しかし、親が変われば、子どもは必ず変わります。
本記事が、お子さんの学習改善の一助となれば幸いです。

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